予言 「え!?まも、アメフト部のマネージャーやるの!?」 「うん、そうよ。セナも頑張ってるし応援してあげたいの」 「えーでもさー…」 「アメフト部ったら…あの『ヒル魔』がいるんだよー…?」 「だからこそ、セナがいじめられないように守ってあげなきゃいけないのよ!」 「…まぁ…」 「まもが決めたんだったらそれでいいけど…」 「はー…でもまもがマネージャーかあ…。あのアメフト部とはいえ、マネージャー…」 「何よ、アコ」 「マネージャーといえば、ムサい男どもの中に咲く一輪の花!」 「そ、そういうものなの?」 「そーいうものなのよ!で!マネージャーといえば部員とくっつくのが常!………まも。」 「…何?」 「楽しみにしてるよぉ?」 「…ええーっ!?もーう何バカ言ってるのよ!」 「あ、じゃあ相手はヒル魔?」 「咲蘭っ!!」 「あは、ごめーん」 「あはははははっ」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「思えばあれ、予言だったのかしらねー」 「あ?何か言ったか?」 「んーん、こっちの話」 そう言ってふふっと笑った私に、ヒル魔くんが素っ気なく気味わりィ、と呟いた。 ほんっとに減らず口だけは立派ね。 わからないものだよね。 こんな風に、たまの休日をふたりだけで過ごしてる。 泥門の悪魔と怖れられるこの人を、 こんなに好きに、なるなんて。 わからないものだよね――。 隣を歩くヒル魔くんの手のひらを。 そっとつかんで、きゅ、と握った。 ヒル魔くんは、いつものヒル魔くんのまま。 こっちを見ない。表情も変わらない。 でも、ほんの少し強く、 ぎゅ、と握り返して くれた。 明日になったら、報告しよう。 予言、当たったよ。って 幸せなんだよ。って とびきりの笑顔でふたりに言うの。 左手に感じる温度が あまりに心地よくて、泣きたくなった。 |
*** まもりさんは恋愛のことであんまり相談しなさげなタイプな気がします。 ヒル魔さんが誰かに恋愛のことを相談したら世界は破滅すると思います。(それは知らんけど) ... 05/11/09
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