イチゴ牛乳




「はーお腹すいたー。お弁当食べよ」
「遅えメシだな」
「風紀委員会があったから」
「はん」
「ヒル魔くんもちょっと食べる?」
「イラネ」
「そう?おいしいよハンバーグ」
「…」

ひょい
ぱく

「あ!」
「ケケケイチゴゲーット」
「あーっ!!あーもうっ、楽しみにしてたのにっ!ばかばかばかっ!!」
「ケケケケケやっぱりこっちが本命か」
「もうっもうっ!イチゴの恨みは怖いわよ!?」
「ケケケケケケケケケケケケ」

テメーの恨みなんざ怖くねェ呪えるものなら呪ってみやがれ、と小憎たらしい台詞を残して部室を出てくイチゴの仇。
あーもう、朝から楽しみにしてたのに!



だけど、悪魔にイチゴのミスマッチが妙に何だか可愛く感じて、ひとり部室で笑ってしまった。











その日、悪魔は珍しく部に差し入れを買ってきた。
ばら撒かれるスナック菓子とジュース類。

その中に、イチゴ牛乳。



思いがけない不意打ち攻撃。
反則でしょう?




くすくすくす

思わず漏れる笑い声。
ああどうしよう止まらないみんなの顔に『?』が浮かんでる。
ああでもごめんやっぱり止められないたとえ悪魔が睨んでも。




乱暴に投げつけられるイチゴ牛乳。
甘い甘いイチゴ牛乳。
受け取った。





ほんとにほんとに。優しいなあ、もう。





***
イチゴを盗ったのはあれです、嫌がらせです。そりゃ悪魔だもん。
ヒル魔さんは好きな子はとことんイジメるタイプです。だって悪魔だもん。
... 05/08/23



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