ガム




「おう糞マネ」

呼びかけられると同時に何かが投げつけられた。
さすがパスはうまいもので、私の手のひらにそれは綺麗に吸い込まれる。

「ちょっともーいきなり何………ガム?」
「あの糞コンビニ、今日も無糖ガム置いてやがらねェ。こんな甘ったりぃの食えねー、テメェにくれてやる」
「もーえらそうなんだから。1枚しか食べてないじゃない、勿体ない」
「だ・か・ら、くれてやってんだよ!頭わりぃな糞マネ」
「頭悪いは余計です。でも、ふーんヒル魔くんでも妥協するんだ」
「ぐだぐだうるせーな。くれてやってんだから礼ぐらい言え」
「ホントに勝手なんだからー。はいはい、ありがとうございます」












後から気づいたんだけど、今日は3月14日。



ねえ。
ひょっとして。
かなりひょっとして。
想像なんだけど。





お返しの、つもり?









帰り道、もらったガムを1枚含んだ。
あなたが感じたのとおそろいの味、口いっぱいに広がる。





***
もちろんバレンタインから1ヵ月後。
もはやクリスマスボウル云々より卒業って感じの時期だな気にしないけど。
つーか引退してるよな気にしないけど。
... 05/08/16



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