誕生日




「ねえ、ヒル魔くんの誕生日っていつ?」
「あ?」
「誕生日よヒル魔くんの誕生日。メンバーみんなの誕生日、手帳に書いてるのよ」
「ケッ、相変わらずヒマな女だな」
「何よ悪いことじゃないでしょ?ヒル魔くんのも教えてよ、お祝いするから」
「いらねーそんなモン」
「もーまたそんなことばっかり。ねぇ教えてよ?」
「教えねえ」
「強情者。」
「個人情報保護。」
「あーもうわかったわよっ」




でも、家に帰ってベッドに横になりながら、手帳を見返してみると。
やっぱりヒル魔くんの名前はなくて。

思わずため息。

ヒル魔くんはいらないって言ってたけど、お祝いの言葉ぐらいはかけたいのに…。



…お祝いの、言葉。



がばりっとベッドから身を起こす。そうだ、いいこと思いついた!






次の日。

「おはよーヒル魔くん誕生日おめでとうっ」

唐突かつ奇天烈な挨拶に、ヒル魔くんは一瞬面食らった顔をした。やったあ!

「誕生日教えてくれないなら、毎日お祝いしてあげるわ。するって決めたの。明日も明後日もその後もずーっとずーっと言ってあげるわ」

そう、毎日言い続けたら、いつかは必ず大当たり。
これが、昨日私が考えついた秘策。

絶対にやり遂げてやるんだから!



そして。

「…はっ、面白れぇ。やれるもんならやってみやがれ」

私の放った宣戦布告に、悪魔は不敵に笑みを浮かべた。
負けじと私も、にっと笑う。





かくてここに、1年間の長き戦いの火蓋が切って落とされた。





***
誕生日ネタぐらいらぶーになる……わきゃない私の書くヒルまもでした。殺伐…!

それよりヒル魔さんって誕生日あるんですか…。私は年齢詐称してるとずっと思っているのですが!
そしたらデータブックも案の定そんな扱いで、それがちょっと嬉しかった。(嬉しいのか)

あとこれ、毎日言えばいつかヒル魔の誕生日ってやつ、実は日記でやろうと思ったことが………思っただけですけどね。へへ。

あとごめんなさい、ちょっと手直ししちゃいました…1文消しました。推敲しろよ…。
... 05/10/08



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