01.雷雨 「ち、運悪ぃ」 帰り際、突然の夕立。 濡れて帰るのは腹が立つ。 傘買って帰るなんざ言語道断。 こりゃ部室で時間つぶすしかねェな。 部室に向かおうと回れ右しようとしたその時。 急に目の前が鮮やかな赤に覆われる。 「はい」 赤の陰からのぞくのは…糞マネの眼。 「入っていかない?駅までだけど。傘ないんでしょ?」 「…」 「どうぞ」 「……………………」 ばっしゃ 回れ右キャンセル。一歩前へ。 容赦ない雨つぶ攻撃。反撃手段、なし。 「あっ、ちょっともう!風邪引くわよ!?」 喚く糞マネなんざ完全無視。 「もう!ヒル魔くん聞いてるの!?」 さー聞こえねえな。 「あまのじゃくなんだから!」 バーカ、褒め言葉にしかなんねェよ。 ああイライラするクソイライラする。 テメーのせいだ糞マネ。許可なくあんなトコロに現れんじゃねェ。撃ち殺すぞ! ああムカつくクソムカつく。 糞マネ糞マネ、つーか何で俺がこんなに濡れなきゃいけねェんだ!? 目の前に広がる水溜り。 ぐにゃぐにゃした表面に映る、濡れねずみの情けねぇシルエット。 力いっぱい蹴り上げた。 |
*** 素直になれよ…。 それにしても、甘いヒル魔なんて書ーけーなーいー(涙) ... 05/08/18
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