41.急に楽しくなってきた ...05/10/26 「クリフトー。今日の夕食当番だけど」 「あ、はいなんでしょう?」 「私とマーニャとクリフトだよね」 「ええ」 「でさでさ、デイと考えたんだけど」 「はい」 「ジャンケンで負けた人が食料調達するってことで」 「…はい?」 「じゃーいくよー」 え?もう?? 「じゃーんけーん」 ぽんっ デイはグー。 マーニャもグー。 クリフトだけ、チョキ。 「………」 「やったー!」 「てなわけで、」 『今日の食料集め、ぜーんぶひとりでお願いねぇ☆』 最後ハモってるし…。 などとはコワくてツッコめず、クリフトは泣く泣くその場を後にした。 さてどうしようか、魚でも釣るか、山菜でも集めるか…。 ストックの野菜も少しは残ってるから、まだちょっとは余裕あるよな…。 即席で決まった食料調達係なのに、在庫確認まできっちりできてる自分が憎い。 そして、何かって言うとコキ使われる自分の存在がこれまた悲しい。 と。 「あれー?何してるのクリフト?」 どきん。否が応でも胸が高鳴る天使のような声。 もちろん、アリーナ。 「ひ、姫様…」 「どうしたのクリフト、ひとりでお散歩?」 「いいえ、食料調達です」 「あ、そっか、今日クリフト当番だっけ。でもひとりで?」 「ええと…デイさんもマーニャさんもちょっと今お忙しいようで」 「ふーんそーなんだ。あ、じゃああたし手伝うよ!」 「えっ…そ、そんな、滅相も…」 「いーよぉ、あたしもちょっとヒマだったし。ね?」 にこっと笑うアリーナ。 その誘いを断る理由が、クリフトにあるはずがない。 思いがけず降ってきた、アリーナとの食料調達デート。 先ほどと打って変わって心躍るのを止められない自分は、なんて現金。 当然といえば当然のごとく。 山菜採りをしている間のクリフトの頬は、始終緩みっぱなしだったという。
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