24.アリアハンへ行く方法 ...04/10/18 「あーあ、ヒマだなあ」 「姫様、最近そればっかりですね」 「だってこのごろずーっとお城の中にしかいないんだもん。あ、それともクリフトが手合わせしてくれるの?」 「え…遠慮しときます…」 この前こてんぱんにやっつけられた記憶も新しいクリフトは、丁重に断った。 それを見てアリーナがぷぅーっと膨れ面をしたのは言うまでもない。 そして、機嫌の悪いアリーナを見るに耐えられないのがクリフトという男。 アリーナの機嫌を直そうと、自然と口が動き出す。 「あ、そうそう姫様、隣の国エンドールには姫様と同じぐらいのお年の王女様がいらっしゃるそうですね」 「あれ、そうだっけ?そういえば、そんなこと聞いたことあったかも」 話を変えるべく唐突に話し出したクリフトに、アリーナも先ほどのことはころっと忘れて乗ってくる。 「お会いしたことないんですか?」 「うん。エンドールにはまだ行ったことがないから」 「エンドールから来た旅の商人の話では、とてもお優しい王女様のようですね」 「うー…そっかあ。やっぱ武術とかやってないよねえ?」 「そこに期待をするのは多分おやめになった方が…」 「ちえー。…ああでも、話聞いたらエンドールに行きたくなってきちゃった。いーなあ、行きたいなあ」 「そーですねえ。私も行ってみたいです。それに今、エンドールでは世界中の猛者を集めて武術大会を開催しているそうですよ。きっと国中お祭り騒ぎでしょうね。楽しそうだな…あ…」 しまった。 そう思ったときにはもう遅い。 アリーナの瞳は、当然のことだが、夢と希望と戦いの予感と興奮のせいでらんらんと輝き始めていたのだった。 ――サントハイムの城が盛大な親子ゲンカによって震撼するのは、この会話から30分と経たない後であった。 なお、『余計なこと』をアリーナに漏らしてしまったクリフトは、旅に出た後も度々ブライにそのことが元で愚痴られ続け、肩身の狭い思いをしたとかしないとか…。
|
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||