11.自由になりたい ...04/09/01 「よかった、みんな幸せそう…」 デスピサロを倒した瞬間、8人の体をまばゆい光が包んだ。 デイ以外の導かれし者たちは、それぞれの居場所へと帰ってゆく。 大切な人たちとの再会を喜ぶ仲間たちの表情を、不思議なことにはっきりと見ることができる。 「幸せそう…」 もう一度、呟いた。 その時、頭の中に声が響く。 ――デイ…。これからはそなたも私と共にこの天空城で暮らすがよい…―― どこか冷めた気持ちでそれを聞いた。 天空城…。 私の母さんの故郷。 半分だけの天空人の血。 伝説の勇者の血。 私の大事な家族たちの命を奪った……… 違う。 そうじゃない。 それはもう終わったこと。 『今』終わらせたこと。 大事なのはこれから。 私にはもう半分流れている血。 父さん…人間の血。 私の大事な友人たちとおんなじ血…。 ふっと、どこかほっとした表情でデイは微笑んだ。 大丈夫。 必ずまた逢える。 そして、毅然とした目で上を見上げる。 自分の帰るべき場所を、伝えるために。
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